カートリッジ式軟水器の樹脂量は1.5リットルから多くても3リットル弱で、硬度の高い場所では、かなりの頻度で交換が必要でコストがかさみます.又全自動軟水器の最少樹脂量のものは4リットルで一週間周期若しくは最長14日周期のタイマーが組み込まれ樹脂の再生はその周期日数のうち最低1日は行われます.厨房内で使用される機器で最長14日に一回の再生を行ない原水硬度が50ppmの場合、1日約330リットルの採水が可能です。が、そんなに大量の軟水を使用するのはかなり大きな食器洗浄機ぐらいだと思います.(実際に使用するのであれば、時間あたりの流量が不足するのでさらに樹脂量の多いものが必要です)現状、厨房で使用される温蔵庫・湯沸かし器・コンベクションスチームオーブン等の熱機器には、カートリッジ式では帯に短し、全自動軟水器では、たすきに長しの感があります。そこで、当社は全自動軟水器並の樹脂量をもち、設置現場で簡単に樹脂の再生が可能な軟水器を考案しました。以下に、モデルを提示します。樹脂筒は米国STRUCTURAL製を使用(型式の末尾#〇〇〇がタンクの型番となります)、原水流入側(IN側)に三方バルブをつけ軟水の採水と樹脂の再生を行う二つの回路を設けました。軟水採水側(OUT側)には、機器接続口と再生時の排水口を設け、マニホールド部に検水バルブを取付け硬度指示薬による再生時期の確認を容易にしました。樹脂の再生は樹脂量に応じて作った塩水を、再生回路に設けたエゼクターから吸引して軟水器本体に通水して行います。塩水の吸込み量は配管径・水圧・軟水器本体の通水抵抗により変動します。エゼクターの最低作動水圧は150kpa、吸込み量は1.2リットル/分~3.0リットル/分となります。再生に要する塩は、樹脂1リットルにつき100gです。当社の最少樹脂量のANS-M4(樹脂量4リットル)では、400gの塩を5~6リットルの水に溶かして再生を行いその所要時間は、最長で5分程度となります。軟水の採水量は、樹脂1リットルで、原水硬度がドイツ硬度2.5°(=17.85mg/ℓx2.5≒45ppm≒50ppm)のとき、
1,000リットル 採水できます。食塩の価格は120円/kg前後なので、ANS-M4の場合、1回の再生コストは50円程度と(再生作業にかかる使用者の労務費用は計算しておりません)大変経済的です。所謂、名古屋で言う大変お値打ちな水処理器です。又、再生は水道原水の条件にもよりますが100回以上の再生が可能です。水道水中の残留塩素・鉄錆等によるダメージで樹脂が劣化する為、有限回数になります。当社では、設置後7年を経過又は、再生回数200回を超える時点を樹脂の交換の目安としています。
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※当社は永らく業務用厨房への設置が多く、意外に設置スペースが無い厨房内に如何にその余地を見つけるか、若しくは作るかに苦労してきました。再生式軟水器も、作業台下800mmに納まるように考慮しました。樹脂筒をFRPにした場合、タンクの価格は比較的安価ですが、非常に低温に弱く、又紫外線による光劣化もあり 屋外に設置する場合は、いろいろとその防護対策が必要になります。それで、多少価格が上がりますが、 ステンレスタンクを使用したものも作成しました。
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